【研究テーマ】「日本の人材マネジメントの現在地」 ~変化のなかで再考する働き方と人事のあり方~
<開催にあたって> 企業経営の環境や課題、労働力のあり方が変化する中、従来の日本的な人事管理の慣行が機能不全に陥ったと理解され、多くの企業がその変革に取り組んできました。とりわけ近年は、「人的資本経営」「ジョブ型」といった考え方が喧伝され、情報技術の導入も相まって、様々な人事諸施策の導入が進んでいます。しかしながら、そうした取り組みが社員の働き甲斐や納得感、ひいては組織パフォーマンスにまでつながるのか、不透明な実感のままの数十年を費やした企業も多いのではないでしょうか。 今期の本研究会では、人事を取り巻く昨今の趨勢を踏まえながら、自社に適した制度運用に取り組む企業事例をもとに、いま求められる人材マネジメントのあり方について検証いたします。今期からは新たなコーディネーターも迎え、より活発に知識と意見が交流する場の創出に努めてまいります。
<研究会のすすめ方> 本研究会ではゲストスピーカーの講義を聴くだけではなく、コーディネーター(江夏幾多郎氏・麓仁美氏)の進行のもと、質疑応答やグループディスカッションに十分な時間を割くようにしております。 その時間を通して、講義内容への理解、課題に対する学習を深めていきます。 社外の同じ立場の方と悩みの共有やディスカッションを行うことで、課題の解決につながります。また、取組事例を聞くだけでなく、他の人事担当の方と討議を行うことにより、より理解を深め、自社での活用のヒントを得ることができます。
<指導講師からのメッセージ> 企業の人事担当者は、最新の、または好業績企業の人事施策を注視し、自社に取り入れようとすることが多いのではないでしょうか。しかし、積み重ねてきた歴史や目指すべき事業、組織のあり方が異なる他社事例が、自社でも有効に機能するとは限りません。事業や組織の原理原則、さらには自社のあり方についての十分な理解がない場合、あらゆる積極的な取り組みも徒労に終わりかねません。人事管理についての概念的な把握と、地に足ついた試行錯誤の往復を、経営者・管理者・従業員一人一人といった様々なステイクホルダーと共に進めることが必要です。 本研究会では、学術的な論点を踏まえながら、参加者相互の討議も通して各々の企業の取り組みを比較・検証することで、日本の人材マネジメントの現状と課題、そして経営のなかでの人事部門・人事パーソンの役割発揮のあり方を展望いたします。
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